[sugj-tech:8104] Re: traffic_replay.7.xml の訳をみていただけないでしょうか
Akira KIDA
akida @ gadjp.com
2019年 5月 13日 (月) 21:32:10 JST
きだです。
亀レスですが、どうもすっきり納得できなかったのでtraffic_replay, traffic_learner,さらに
traffic_summary.pl のソースを確認してみました。
それから得た私なりの結論として、原文のconversationを単純な「通信」という訳語に当ててしまったことが、つまづきの原因であると思います。そもそもこの訳を選択したことには私にも責任があります。すみませんでした。
本題に戻って、traffic_learnerコマンドのドキュメントの、OUTPUT FILE FORMATの節およびExample ngram
listingの節によれば、これらのコマンドが利用している"model"ファイルは、2階のマルコフモデルになっています。つまり、直前の2つのパケットの並びに基づいて、次のパケットの生起確率が記述されています。
ここで注意すべきは、一連の「ありそうなパケットの並び」をconversationと呼んでいることです。つまり、conversationとは、Sambaマウントしている側で、例えばフォルダを開くとか、ファイルをコピーするといった、Windows側での「一つの操作」に対応するパケットの並び(を確率モデル化したもの)を指していると思われます。
言い換えれば、traffic_replayがmodelファイルに基づいて生成する通信の内容は、フラット(単純)なパケットの並びではなく、conversationごとにまとまった、ある種の構造を持ったものになっているわけです。ただし、traffic_replayが送信するconversationは、あくまでモデルファイル(2階のマルコフモデル)に記された確率に沿ってパケット列を生成したものでしかなく、必ずしも実際に正しいconversationのパケットの並びであるとは保証できません。
もちろんconversationはパケットの並びによって構成されていますので、パケットの総数やパケットの送信速度の指定により、直接・間接的に生成されるconversationの内容は影響を被ります。これが話を(パラメータの説明を)ややこしくしているところです。
以下、conversationをそのまま「対話」とした試訳です。これが好ましい訳語かどうかはほかの方のご意見をいただきたいです。
当然、conversationはこれ以外の所でも使われているので、この修正を採用すると、他の部分も波及的に修正が必要になるはずです。
ちなみに、rate at which packets get sentは、パケットの送出レート、すなわち単位時間当たりのパケット送信数
のことです。これは間違いないところと思います。
以上を踏まえて、以下のように訳してみました。
> <!-- Samba 4.10.0
> Increases the number of conversations by this factor,
> relative to the original traffic sample on which the
> model was based. This option won't affect the rate at
> which packets get sent (which is still based on the
> traffic model), but it will mean more conversations
> get replayed. It cannot be combined with
> <option>-T</option>, which sets the traffic rate in a
> different way.
> -->
指定した値に基づき、モデルのベースとなっているオリジナルトラフィックサンプルに対して相対的な形で対話数を増大させる。
このオプションは、個々のパケットが送信される速度には影響をしないものの(それは依然としてトラフィックモデルに基づいている)、より多くの対話が再生されることを意味している。
> 異なった方法でトラフィックレートを指定する <option>-T</option>
> オプションとは同時に使えない。
> </para></listitem>
> </varlistentry>
>
以下の文章は、「対話」とパケットの関係が重要な場合の例です。
すなわち、トラフィックの速度(=パケットの送出レート、すなわち単位時間当たりのパケット送信数)が高める指示を受けると、パケットを休みなく送信しようする確率が高まると考えられます。ここで、一つの対話の間はパケットが休みなく送信されると考えられるため、必然的にパケットが一つの対話により多く含まれる(すなわち対話がより長く構成される)ことにより、対話の絶対数は減るのでしょう。一方、パケットの総数は影響を受けず一定です。結果的にreplayされる対話の個数は減少することになります。そうすると、「対話」単位で割り当てられるようなリソースの使用量が軽減するということになります。
> <!-- Samba 4.10.0
> <varlistentry>
> <term>-r|- -replay-rate <factor></term>
> <listitem><para> Replays the traffic faster by this
> factor. This option won't affect the number of packets
> sent, but it will squeeze them into fewer
> conversations, which may reduce resource usage.
> -->
> <varlistentry>
> <term>-r|--replay-rate <factor></term>
> <listitem><para>
指定した値に基づいて、トラフィックの速度を高めて再生する。
このオプションは送信されるパケットの総数には影響を与えないが、送信されるパケットをより少ない対話に絞り込むことになり、リソース使用量は軽減することがある。
> </para></listitem>
> </varlistentry>
>
2019年4月30日(火) 18:46 User Ribbon <ribbon @ ns.ribbon.or.jp>:
> 4.10.0 で修正が入っています。
> オプションの説明が変わっているところもあります。
>
> <varlistentry>
> <term>-S|--scale-traffic <factor></term>
> <listitem><para>
> <!-- Samba 4.10.0
> Increases the number of conversations by this factor,
> relative to the original traffic sample on which the
> model was based. This option won't affect the rate at
> which packets get sent (which is still based on the
> traffic model), but it will mean more conversations
> get replayed. It cannot be combined with
> <option>-T</option>, which sets the traffic rate in a
> different way.
> -->
> ベースとなったモデルの、オリジナルトラフィックサンプル
> の相対値である、ここで指定する値を使って、通信量を増大させる。
> このオプションは(トラフィックモデルに基づいた)パケットの送信
> レートには影響しないが、より多くの通信が再生される事を意味する。
> 異なった方法でトラフィックレートを指定する <option>-T</option>
> オプションとは同時に使えない。
> </para></listitem>
> </varlistentry>
>
> <!-- Samba 4.10.0
> <varlistentry>
> <term>-r|- -replay-rate <factor></term>
> <listitem><para> Replays the traffic faster by this
> factor. This option won't affect the number of packets
> sent, but it will squeeze them into fewer
> conversations, which may reduce resource usage.
> -->
> <varlistentry>
> <term>-r|--replay-rate <factor></term>
> <listitem><para> ここで指定した値を使って、トラフィックを高速化する。
> このオプションは送信されるパケット数には影響しないが、
> リソースの使用量を削減する、より小さな通信量に圧縮する。
> </para></listitem>
> </varlistentry>
>
> <!-- Samba 4.10.0
> <varlistentry>
> <term>- -conversation-persistence <0-1></term>
> <listitem><para> Conversation termination (as decided
> by the model) is re-interpreted as a long pause with
> this probability. </para></listitem>
> </varlistentry>
> -->
> <varlistentry>
> <term>--conversation-persistence <0-1></term>
> <listitem><para> (モデルによって決定される)通信終了は、
> この指定により、長い休止として解釈される。 </para></listitem>
> </varlistentry>
>
> probability をどう訳すか悩んでいます。
>
> <!-- Samba 4.10.0
> <varlistentry>
> <term>- -latency-timeout <seconds></term>
> <listitem><para> Wait this long at the end of the run
> for outstanding reply packets. The number of
> conversations that have not finished at the end of the
> timeout is a failure metric. </para></listitem>
> </varlistentry>
> -->
> <varlistentry>
> <term>--latency-timeout <seconds></term>
> <listitem><para> 実行終了時、未処理の返信パケットを
> ここで指定した時間だけ待つ。タイムアウト時に未完了の
> 通信は、失敗として扱われる。 </para></listitem>
> </varlistentry>
>
> failure metric をどう訳すか悩んでいます。
>
> ribbon
>
>
>
>
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