[samba-jp:22594] [Samba] [Announce] Samba 4.3.0rc2 リリースノートの翻訳
TAKAHASHI Motonobu
monyo @ monyo.com
2015年 8月 11日 (火) 00:00:53 JST
たかはしもとのぶです。
Samba 4.3.0rc2 のリリースノートの翻訳です。
おそらく正規リリース版もほとんど変わらない内容になるはず、です。
原文は、以下を参照してください。
・[Annouce] Samba 4.3.0rc2 Available for Download
<https://lists.samba.org/archive/samba-announce/2015/000348.html>
リリースアナウンス
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これは Samba 4.3 の 2 番目のリリース候補版である。これは実環境での使用を
意図したものではなく、テスト目的以外の使用は考慮していない。問題があった
場合は、 https://bugzilla.samba.org/ にある Samba バグ報告システム経由で
報告してほしい。
Samba 4.3 は Samba スイートの次期バージョンである。
アップグレード
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特筆すべき留意点はない。
新機能
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ログ出力
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ログ出力機構が複数のバックエンドをサポートするようになった。以前から使用
可能であった syslog とファイルに加え、systemd-journal, lttng, gpfs への
ログ出力を行うバックエンドが追加された。詳細は smb.conf マニュアルページの
「logging」パラメータのセクションを参照してほしい。
Spotlight
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Gnome Tracker へ統合する形で、Apple の Spotlight のサポートが追加された。
Spotlight サポートを有効にして Samba をビルドし、設定する方法の詳細に
ついては、次の Samba Wiki: <https://wiki.samba.org/index.php/Spotlight> を
参照のこと。
新しい FileChangeNotify サブシステム
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Samba に、FileChangeNotify を行う新しいサブシステムが追加された。以前の
システムは、notify_index.tdb という中央データベースにすべての notification
リクエストを格納していた。これは特に、新規ファイルの作成といった変更
イベントが発生する度に特定のレコードの所有者がノード間を行ったり来たり
するようなクラスタ環境において、ボトルネックとなる。
新しい FileChangeNotify サブシステムは、ノードごとに中央デーモンが
起動する形態をとる。各 FileChangeNotify リクエストおよびイベントは、
smbd から notify デーモンに対する非同期メッセージとして扱われる。
notify デーモンはすべての FileChangeNotify リクエストのデータベースを
メモリ中に保持し、関連する nofity イベントを送付する。このデータベースは
notify デーモンにより、非同期にクラスタ内で同期される。
nofity デーモンは以前の実装と比べると、スケーラビリティに非常に優れて
いる。機能的なメリットとしては、ノード間での Kernel Change Nofity の
サポートが挙げられる。一般的なクラスタファイルシステムでは、ノード間での
inotify がサポートされないが、この機構では NFS によって作成されたファイルに
ついても、別のノードの SMB クライアントは FileChangeNotify により参照する
ことができる。
この新しいサブシステムのために "change notify" と "kernel change notify"
パラメータが、共有パラメータからグローバルパラメータに変更されるという
変更が行われた。これにより notify を共有ごとに制御することはできなく
なった。notify デーモンは共有という概念を持たず、絶対パスのみを認識して
動作するようになっている。
新しい SMB プロファイリング
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SMB (SMB1, SMB2, SMB3) のプロファイリング機構は System V の IPC 共有
メモリに代わり TDB を使用するようになった。これにより、パフォーマンスの
問題を回避するとともに、NUMA の恩恵を受けられるようになった。
プロファイリングの項目は、以前より若干詳細化された。
Kerberos 使用時の DCERPC の MITM 検知の改善
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gensec 用の Kerberos バックエンドを用いた GSSAPI は、DCERPC_-
AUTH_LEVEL_PRIVACY を使用する際に、DCERPC のヘッダ署名をサポートするように
なった。
winbindd による SMB 署名がデフォルトで有効化
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Active Directory ドメイン環境において、"client signing" パラメータの値が
winbindd にも適用されるようになった。
実験的な NTDB の削除
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Samba 4.0 から導入された実験的な NTDB ライブラリが削除された。
(AD DCにおける)ドメイン間信頼のサポートの改善
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ドメインおよびフォレスト間信頼のサポートが顕著に改善され、
samba-tool コマンドの "domain trust" サブコマンドにより信頼関係の管理が
行えるようになった。
create - Create a domain or forest trust.
delete - Delete a domain trust.
list - List domain trusts.
namespaces - Manage forest trust namespaces.
show - Show trusted domain details.
validate - Validate a domain trust.
個々のドメイン間の外部信頼については、双方向の信頼が機能するように
なった。これはフォレストのルートドメイン間のフォレスト間信頼についても
言える。別フォレストへの信頼の移行は Kerberos において完全にサポート
されているが、NTLMSSP では未サポートである。
多くの機能が動作するようになったが、若干の制限事項が残っている:
- 信頼関係は双方向に信頼する必要がある!
- SID フィルタリングルールを適用してはならない!
- これは、ドメインAのDCは、ドメインBに対して管理者権限でのアクセスを
行うことが可能であることを意味する
- 信頼するドメインのユーザやグループをドメイングループに追加することが
できない
SMB 3.1.1 のサポート
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クライアントとサーバの双方に置いて、SMB 3.1.1 がサポートされた。
これは、Windows 10 で実装された dialect であり、SMB の dialect や機能の
ネゴシエーションをセキュアに行うことが可能となっている。
新しい smbclient のサブコマンド
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- ディレクトリに対して change notification を確認する: notify <dir name>
- サーバ上でコピーを行う: scopy <source filename> <destination filename>
新しい rpcclient のサブコマンド
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netshareenumall - Enumerate all shares
netsharegetinfo - Get Share Info
netsharesetinfo - Set Share Info
netsharesetdfsflags - Set DFS flags
netfileenum - Enumerate open files
netnamevalidate - Validate sharename
netfilegetsec - Get File security
netsessdel - Delete Session
netsessenum - Enumerate Sessions
netdiskenum - Enumerate Disks
netconnenum - Enumerate Connections
netshareadd - Add share
netsharedel - Delete share
新しいモジュール
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idmap_script - see 'man 8 idmap_script'
vfs_unityed_media - see 'man 8 vfs_unityed_media'
vfs_shell_snap - see 'man 8 vfs_shell_snap'
新しい複製トポロジのサポート(KCC の改良)
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KCC は Active Directory における DC 間の複製トポロジを制御している。現在の
Samba の KCC はフルメッシュ形式のトポロジを使用しているため、各 DC は他の
すべての DC と複製を行っている。これは大規模なネットワークには適していない。
Samba 4.3 では、Microsoft の実装に近い、フルメッシュでない複製トポロジを
生成する新しい実験的な KCC がサポートされた。これはデフォルトでは無効と
なっており、smb.conf で "kccsrv:samba_kcc=true" を設定することで有効となる。
大規模なネットワークではこれを有効にするか、検討することを推奨する。小規模
なネットワークでは、あまりメリットはない。この機能は後から変更することが
可能である。
TLS でサポートされるプロトコルの変更とデフォルト値の改善
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"tls priority" パラメータにより、TLS でサポートされるプロトコルを変更する
ことが可能となった。デフォルトでは、もはやセキュアとは言えなくなった SSLv3
が無効となっている。
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変更パラメータ
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smb.conf changes
----------------
Parameter Name Description Default
-------------- ----------- -------
logging New (empty)
msdfs shuffle referrals New no
smbd profiling level New off
spotlight New no
tls priority New NORMAL:-VERS-SSL3.0
use ntdb Removed
change notify Changed to [global]
kernel change notify Changed to [global]
client max protocol Changed default SMB3_11
server max protocol Changed default SMB3_11
削除されたモジュール
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vfs_notify_fam - '新しいFileChangeNotifyサブシステム'セクションを参照のこと
既知の問題点
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現在のところなし。
4.2.0rc1 からの変更点
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(省略)
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バグ報告と開発に関する議論
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本リリースに関する議論は、samba-technical メーリングリストで行うか、
irc.freenode.net 上の #samba-technical IRC チャンネルで行ってほしい。
問題を報告した際には、詳細なフィードバックをお願いしたい。問題を解決す
るのに必要な情報が提供されなかった場合、そのフィードバックは無視される
ことになる。バグ報告の全ては、Bugzilla のデータベース
(https://bugzilla.samba.org/) の "Samba 4.1以降" プロダクトに記録してほしい。
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== Our Code, Our Bugs, Our Responsibility.
== The Samba Team
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ダウンロードの詳細
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圧縮されていない tar アーカイブとパッチファイルは GnuPG (ID 6568B7EA)
によって署名されている。ソースコードは以下からダウンロード可能である:
https://download.samba.org/pub/samba/rc/
リリースノートは以下から参照可能である:
https://download.samba.org/pub/samba/rc/samba-4.3.0rc2.WHATSNEW.txt
Our Code, Our Bugs, Our Responsibility.
(https://bugzilla.samba.org/)
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