[samba-jp:20083] Re: Samba 3.2.0pre2リリースノート(訳:部分)
Yasuma Takeda
yasuma @ osstech.co.jp
2008年 3月 6日 (木) 18:03:41 JST
武田@OSSテクノロジです。
後半部分を訳してみました。
GNU GPLv3ライセンスによる提供
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Sambaチームは Samba 3.2、及びそれ以降のリリースについて、
GNU General Public License の バージョン 3を適用しました。
GPLv3は、現在配布されているSambaに適用されている
GPLv2ライセンスの新しいバージョンです。
これは他のライセンスとの互換性を向上し、より国際的に
利用しやすくなっており、21世紀のフリーソフトウェアに対する要望に
適合するライセンスです。
GPLv3の適用に関するオリジナルのアナウンスは、下記を参照してください。
http://news.samba.org/announcements/samba_gplv3/
認証に関する新しいセキュリティ基準
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LanManパスワード機能は、クライアント、サーバーの双方で
無効になりました。加えて smbclient や libsmbclient を利用する
アプリケーションなどのクライアントユーティリティにおいて、
クリアテキスト認証要求はデフォルトで無効となりました。
これらは DOS、Windows 9x/ME、OS/2などのホストからの接続、
および、これらのホストに対する接続の双方に影響があります。
変更された正確なパラメーター名についての詳細は、
"Changes"セクションを参照してください。
レジストリ設定バックエンド
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Sambaは、smb.confの設定を補足するために、設定バックエンド機能を使って
レジストリを利用することが可能になりました。
この機能は smb.conf の [global] セクションに、
"config backend = registry"、および "registry shares = yes" と
設定することで利用可能となり、"net conf" コマンドで
管理することができます。
より詳細な情報は、smb.conf(5) と net(8) の manページに含まれています。
削除された機能
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Pythonバインディングと、libmsrpc共有ライブラリは、
オフィシャルメンテナーがいないため、開発ツリーから削除されました。
smbfsは、現在のカーネルでサポートされていませんので、smbmountが
このバージョンから削除されました。かわりに cifs (mount.cifs)を
利用してください。
smbmount/mount.smbfsの代わりに mount.cifsを呼ぶラッパースクリプトの
参考として examples/scripts/mount/mount.smbfsを参照してください。
libsmbclientのAPI変更
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より簡単に読めるようにソースコードの構成を維持する一方で、
libsmbclient のABI互換性を維持することは、非常に難しくなりました。
ABI互換性を維持し、コードの保守と拡張をより簡単にするという目標に
向かって、APIが拡張されました。
特に、SMBCCTXコンテクスト構造体のフィールドは、ユーザーによる参照、
更新を意図しておらず、利用は推奨されていません。
これまでSMBCCTXコンテクスト構造体のメンバーにアクセスしてきた
アプリケーションは、再コンパイルの際に警告が行われるでしょう。
これは意図的なものであるため、新しいインターフェースに合わせた
多少の変更を実装することを推奨します。
ほとんど大部分のアプリケーションでは変更箇所の多くが少しの変更だけで、
多くのアプリケーションでは変更そのものが必要ないでしょう。
例えば、KDE (konqueror)では新しいインターフェースに合わせた変更が
必要なことを確認しましたが、それは1つのファイルのたった4行の
変更だけでした。
アプリケーションが自身でコンテクスト構造体の値を更新したり、
参照したりするかわりに、構造体のそれぞれ設定可能なメンバーについて、
setter(更新)とgetter(参照)の関数が用意されました。
同様に smbc_option_get() と smbc_option_set()関数の代わりに、
setterとgetterインターフェースが用意されました。
setterとgetterは、libsmbclient.hの下記のコメントブロックに、
すべて記載されています。
Getters and setters for CONFIGURATION
Getters and setters for OPTIONS
Getters and setters for FUNCTIONS
Callable functions for files
Callable functions for directories
Callable functions applicable to both files and directories
"deprecated"の警告を削除するために必要な変更例を示します。
/* Set the debug level */
context->debug = 99;
次のように変更してください。
smbc_setDebug(context, 99);
/* Specify the authentication callback function */
context->callbacks.auth_fn = auth_smbc_get_data;
次のように変更してください。
smbc_setFunctionAuthData(context, auth_smbc_get_data);
/* Specify the new-style authentication callback with context parameter */
smbc_option_set("auth_function", auth_smbc_get_data_with_ctx);
次のように変更してください。
smbc_setFunctionAuthDataWithContext(context, auth_smbc_get_data_with_ctx);
/* Set kerberos flags */
context->flags = (SMB_CTX_FLAG_USE_KERBEROS |
SMB_CTX_FLAG_FALLBACK_AFTER_KERBEROS);
次のように変更してください。
smbc_setOptionUseKerberos(context, 1);
smbc_setOptionFallbackAfterKerberos(context, 1);
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Changes
#######
smb.conf のパラメーター変更
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パラメーター名 更新内容 デフォルト値
-------------- ----------- -------
client lanman auth デフォルト値変更 No
client ldap sasl wrapping 新規 plain
client plaintext auth デフォルト値変更 No
clustering 新規 No
cluster addresses 新規 ""
config backend 新規 file
ctdb socket 新規 ""
debug class 新規 No
administrative share 新規 No
lanman auth デフォルト値変更 No
ldap debug level 新規 0
ldap debug threshold 新規 10
mangle map 削除
min receive file size 新規 0
open files database hashsize 削除
read bmpx 削除
registry shares 新規 No
winbind expand groups 新規 1
winbind rpc only 新規 No
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ご参考まで。
Yasuma Takeda <yasuma @ osstech.co.jp>
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