[samba-jp:19979] Re: [FYI] samba-4.0.0alpha2リリース

TAKAHASHI Motonobu monyo @ monyo.com
2008年 1月 20日 (日) 21:46:27 JST


たかはしもとのぶです。

ひさびさに、リリースノートを訳してみました。で、一ヶ所どう考えても文意
が逆ではないかというところがあって、悩んでいます。

みなさまもご参照いただければと。

----------

我々は Samba 4 の二番目の alpha リリースを誇りに思う。

Samba 4 alpha2 の新機能
=======================

Samba 4 は、 Samba の次期版と目されており、安定版の 3.0 系列と並行して
開発中のものである。この版の主要な機能強化は、Windows 2000 以降で利用
されている Active Directory のログオンプロトコルのサポートである。

Samba 4 は、現在のところ商用環境で用いる段階には至っていない。以下の警
告および STATUS ファイルを参照のこと。このファイルには、動作する機能、
動作しない機能について記載されている。

Samba4 alpha2 は、以前提供した Technology Preview 系列、 9 月にリリー
スされた最初の alpha 版に続くものである。

警告
====

Samba4 alpha2 は、完成版の Samba リリースではない。これは、コードの品
質向上を目指したものではなく、必要だと思われる機能の幾つかが欠如した
Samba4 のリファレンスであり、広範な開発が行われていないことが明らかな
ものである。Samba3 (もしくは Windows)から Samba4 にアップグレードした
場合、多くの機能が動作するものの、いくつかの鍵となる機能については、ま
だ実装されていないことが確認できるだろう。

一例を挙げると、Samba 3.0 は Active Directory のドメインメンバとして完
璧に動作するが、Samba4 はドメインコントローラとしての機能が期待されて
いる (大半の研究と開発がこの分野に対して行われているということである)。

Samba4 では、自動化ベースで大変な量のテストを行うことを義務としており、
その結果として非常に堅牢になっていることを確認しているため、現段階では
商用ベースのサーバを Samba3 から Samba4 にアップグレードすることを推奨
する。

※推奨しない、の not が抜けているようにも思うんですが、どうでしょうか。

試験用のサーバをアップグレードして、 Samba の開発状況を確認する場合、
設定ファイルとデータをすべてバックアップしておくこと。

新機能
======

Samba 4 は、 Windows 2000 以降で導入された Active Directory のログオン
機構のサーバとしての動作をサポートする。これにより、Windows 2000 以降
のクライアントによるドメイン参加やドメインログオン処理を完全にサポート
することが可能となる。

ドメインコントローラ (DC) の実装には、独自の LDAP サーバと Kerberos の
KDC (Key Distribution Center) が含まれる他、 Samba3 と同等の CIFS 経由
でのログオンサービスも提供される。我々は、 Kerberos PAC を適切に生成し、
それを発行する Kerberos チケットに含めている。

Samba 4 における VFS の新機能により、サーバのファイルシステムを
Windows クライアントの動作に合致させ、これにより Samba 4 は Windows の
動作とアプリケーションの想定する実装により合致したものとなった。これに
は、 (ストリーム中の) ファイルの注釈情報や NT の ACL も含まれる。VFS
は、拡張された自動テストツール群に支えられている。

Samba 4 には、新しいスクリプティングインタフェースが追加され、python
プログラムにより Samba 内部にアクセスすることが可能となった。

Samba 4 のアーキテクチャは、 さまざまな交換可能なバックエンドの利用を
可能とする LDAP ライクなデータベースを基礎としている。バックエンドの一
つは、標準的な LDAP サーバ (OpenLDAP を含む) をサポートしており、我々
は、AD に準拠した挙動と、このバックエンドとを結びつけるモジュールを開
発中である。我々は Samba 4 が大規模なディレクトリに対する力強いフロン
トエンドとなることを目指している。

alpha1 からの変更点
===================

Samba4 alpha1 が 2007 年 9 月にリリースされてからも、 Samba は発展しつ
づけてきた。特に以下の領域についてそれを見て取ることができよう:

  MMC Support:  「Active Directory ユーザーとコンピュータ」コンソール
  が、グループのメンバを正しく扱えるようになった。

  member/memberOf: それ以外のリンクされた属性との同期が維持されるよう
  になった。

  subtree のリネーム: LDAP オブジェクトの subtree のリネームが可能とな
  り、その際にリンクされた属性との関係も維持されるようになった。

  python との結合: 将来的に、内部のスクリプト言語を python に移行する
  ための骨格が形作られた。

  共有ライブラリの使用: Samba4 が依存する OpenChange プロジェクトのサ
  ポートにより、Samba4 の多くの部分が共有ライブラリとしてビルドされた。

最近数ヵ月でこれら重点作業の幾つかが成し遂げられた。詳細については、
SVN ヒストリを参照してほしい。

変更点
======

Samba 3 に慣れ親しんだ方は、NEWS ファイルを参照することで、目に見える
変更点の一覧を確認できる。

既知の問題点
============

- ドメインメンバのサポートは、まだ実装途中であり、Samba3 と同レベルの
  サポートには至っていない。

- 現在のリリースでは、印刷のサポートは行われていない。

- Samba4 における CTDB クラスタのサポートはまだ完成していない。

- 時刻同期が必須である。「パスワードが間違っています(wrong password)」
  エラーの多くが、実際のところ Kerberos がクライアントとサーバ間での時
  刻のずれを検出したことによるものである。

Samba4 の実行
=============

Samba 4 のセットアップに関する簡単なガイドが、tar アーカイブの直下にあ
る howto.txt ファイルおよび、Wiki の
http://wiki.samba.org/index.php/Samba4/HOWTO で参照できる。

======================
開発及びフィードバック
======================

バグについては、 https://bugzilla.samba.org に投稿してほしい。ただし、
現在のところ多くの機能が単にまだ実装されていないだけであるという点に留
意してほしい。

今後の開発計画についての詳細は http://wiki.samba.org にある Samba Wiki
から参照できる。

Samba4 の開発及び一般的な議論については、主に
#samba-technical IRC チャンネル (irc.freenode.net 上) および
samba-technical メーリングリスト (http://lists.samba.org を参照のこと)
で行われている。

-----
TAKAHASHI, Motonobu (たかはしもとのぶ)         monyo @ monyo.com
                                               http://www.monyo.com/

From: Yasuma Takeda <yasuma @ osstech.co.jp>
Subject: [samba-jp:19976]	[FYI] samba-4.0.0alpha2リリース
Date: Fri, 18 Jan 2008 17:56:55 +0900

武田@OSSテクノロジです。

Samba 4.0.0alpha2がリリースされました。
http://news.samba.org/releases/4.0.0alpha2/

Yasuma Takeda <yasuma @ osstech.co.jp>



samba-jp メーリングリストの案内